ランが動いた

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 植物が動くというと、誰もがまずいちばん最初に思い浮かべるのがオジギソウではないでしょうか。小学校の理科の授業で、まるで筋肉をもっているかのような急速な運動を見て感動した人も多いと思います。ちなみにこれは膨圧運動と呼ばれているものだそうです。それからネムノキやカタバミも夜間に葉を閉じる就眠運動を行っています。植物のもっとも基本的な運動は成長運動や回旋運動ですね。
 今回は、ランが動いているところを写真におさめることができたので、紹介させていただきます。

@ この日、クロヤツシロランを撮影していると、どこからかショウジョウバエが飛んできて偶然目の前の花にとまりました。
 このショウジョウバエ、よく見ると頭部にクロヤツシロランの花粉塊のようなものを付着させています。左の花の葯帽がとれているので、もしかしたらその花粉塊だったのかもしれません。












A しばらくするとショウジョウバエは右側の花に移動し、そのなかにもぐりこんでいきました。






























B このショウジョウバエ、しばらく花のなかであわただしく動き回っていたのですが・・・





























C 徐々に唇弁が閉じ始め、少し経つと、ショウジョウバエは花のなかに完全に閉じ込められてしまいました。抜け出せなくなったショウジョウバエは必死に脱出を試みて暴れています。





























D やっとの思いで解放されたショウジョウバエです。頭部にあった花粉塊はなくなっていました。この間ほんの5分ほどです。




























E それから5分ほど経った状態です。唇弁はもとの位置にもどり、蕊柱には花粉塊が付着していました。無事に受粉が終了したようです。

 以上なのですが、このクロヤツシロラン、地味ながらもかなり特異な能力の持ち主でした。同属でよく似ているアキザキヤツシロランも同じような運動をしそうな気がします。